10月もハードな1ケ月だった。体調を崩さなかったことが救いである。相当に疲れているようだ。電車に乗ると、無意識に空席を必死で探してしまう。S市の研修が終えたときも疲労はピークに達していた。電車に乗ると優先席が空いていた。最近は、ためらいもなく座ってしまう。その優先席、私の隣が2席空いている。目の前には、40代半ばと思われる女性が3人立っていた。心の中で、“早く誰か座って”と叫んだ。願いも虚しく、乗換駅までの20分ほど、結構混んでいるのに誰も座らなかった。ひとり座っている自分が、何となく恥ずかしく無性に老いを感じた。乗換電車でも座れることに期待した。今度は、優先席で10代か20代はじめの若者が3人通路に足を投げて座っていた。
電車の中で、本や新聞を読んでいる人が少なくなった。その分何をしている人が増えたか?携帯電話を片手にメールを打って(読んで)いる人、平気で化粧をしている人が圧倒的に多くなった。いつだったか、前側の席の全員がメールを打って(読んで)いた。異様な光景を見た気がした。余計なお世話と叱られそうだが、不思議に電車の中で化粧をする人に美人は少ない。ほとんどがその逆だ。
千葉と神奈川を結ぶ総武横須賀快速線には、グリーン車が2両ついている。横浜方面の仕事に伺うときは、いつも利用している。往きは、講演や講義の予習のために、帰りは人目を気にしないで「お疲れさん」のお酒が飲めるから。ガラガラだったグリーン車が、数ヶ月前から利用者が増えてきている。景気回復の兆しのせいか?そうだとしたら嬉しいことだ。逆に腹の立つこともある。小学生がグリーン定期で通学している。貧乏の中で育った私のそれはひがみだろうか?
久しぶりによい本と出会った。ある新聞に載っていた6歳の男の子の書いた「ちりがみ」と題する詩を紹介していた。「ちりがみかして ぼく もってるよ 正平くんは おべんじょへ はしっていった ぼくも スッとした」。この詩の命は、最後の1行にある。(これがなかったら、詩にはならない)ウンコをしたのは正平くんである。それなのに、彼が終わったとき、「ぼくも」スッとした、という。ここには、いのちの共感がある。と著者は、共感の大切さを説いている。いま私は、櫻木健古氏の「生きるヒント 1日1話」を電車の中で読んでいる
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