Aさんと出会ったのは、私が研修講師としてデビューして、まだ間もない頃と記憶している。研修の仕事が今年でまる20年になるから、かれこれ17、8年間ご交友をいただいた。心から感謝申し上げたい。研修の事務方はもとより、研修担当も努めるから本当に大変だったと思う。辛いことも多かったろうに、笑顔がいつも絶えなかった。
研修に参加する皆さんに最近私は言っている。「研修会場にお客様気分で来ないで!」と。人が生まれるまで“十月、十日かかる”というが、研修も真(まさに)にそれと同じだ。企画の段階からさまざまな経緯と準備を重ねて研修の当日があるのだ。Aさんは私以上に長い年月、一筋に・懸命にその道を歩まれてきた。研修を担当していると、見えなかったことが見えてくる。そのAさんから『研修道』の数々を教えていただいた。Aさんは今月定年退職される。「ここ数年は、不真面目な参加者には厳しく接してきました。」と爽快に語る姿が印象的だった。講師だけが研修を取り仕切っているのではない、私たちはそのことを真摯に考えなければと思う。Aさんの、一層のご活躍とご健康を祈念いたします。
本年最後の配信となります。来年もよろしくお願いいたします。よい年末年始をお過ごしください。
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