半月以上筆談が続いた。これまで考えたこともなかったが“普通に会話ができる”、ことのありがたさが骨身にしみた。1か月以上の治療を経て声がようやく戻ってきた。まだ油断はできないが最悪のシナリオは回避できた。ドクターはじめ支えてくださった多くの方々と神様に感謝した。
今年10月、ある福祉団体から講演の依頼を受け登壇した。会場には当初予定の3倍以上、180人ほどの皆さんが集まった。時間がまたたくまに過ぎた。時間が足りないがそれは仕方がない。精一杯頑張った。手ごたえは十分だ。講演が終えた直後に私に近づいてくる女性がいた。講演中、自信はなかったが「ひょっとしてあの時の人!?」というかすかな思いはあった。「先生、ご無沙汰しております。山口です」。その声と温かな笑みから、間違いない再会を確認した。お会いするのが二度目、直接会話を交わすのはこれが初めてだ。2006年3月15日のことが鮮明に蘇った。感動の再会である。
風の便りに起業して介護施設を開所されたことは聞いていた。心のどこかで気にはなっていたが自分のことで手一杯。時だけが流れていた。聞けば、施設は2か所を開設。職員も40人近いという。「頑張ったなぁ!」の一語に尽きる。ますますの活躍を期待したい。
訪れる新年に幸多きことを祈念して本コラム最後の配信といたします。
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